【大人のたしなみ – お酒を学ぶ】001 お酒にはどんな種類があるの? – 製造方法と酒税法による酒類の分類をご紹介します! –

【大人のたしなみ – お酒を学ぶ】001 お酒にはどんな種類があるの? – 製造方法と酒税法による酒類の分類をご紹介します! –

一口にお酒と言っても色々あります。ウイスキーに日本酒にビールに焼酎にワインetc・・・皆さんそのお酒の違いってご存じですか?
お酒は様々なくくりでの分類があり、お酒を学ぼうとすると初心者は混乱しがちではないでしょうか。

お酒は大きく分けて3つの製造方法で分類されています。まずは製造方法での分類を理解すると体系的に理解しやすくなりますよ。

今回は、製造方法による酒類の分類酒税法による分類をざっくりとご紹介します。

そもそもお酒とは?

お酒の種類お酒とはビールや日本酒、ワインやウイスキーなどのアルコールが入った飲み物のことです。
最大の特徴は飲むと人に酩酊作用を与えることでしょうか。

そして、アルコールは元を正せば糖分です。

アルコール発酵とは?

アルコール発酵の仕組み

原材料に含まれる糖分が酵母の力により分解され、エチルアルコールと二酸化炭素が生まれます。このエチルアルコールがアルコール成分であり、この仕組みがアルコール発酵です。

世界には様々な種類のお酒がありますが、発酵によって糖分がアルコール(エチルアルコール)になる、という基本は共通しています。

なお、日本の酒税法では、1%以上のアルコール度数が含まれる飲料を酒と定義しています。

製造方法による酒類の分類

お酒は製造方法によって下記の3つに分類されます。

  1. 醸造酒
  2. 蒸留酒
  3. 混成酒

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

醸造酒

醸造酒はざっくりいうと、原料を発酵させただけで飲むお酒です。ビール(原料は大麦)、ワイン(ぶどう)、日本酒(お米)などです。アルコール度数は5~15%程度と蒸留酒に比べて低めです。

「醸造」とは、発酵作用を利用して酒類や食品(味噌や醤油など)を製造することを言います。発酵作用は、原料に含まれる糖分を酵母の力によってアルコール(酒類)に変えます。

発酵の種類は3パターンあります

醸造酒は発酵の種類でさらに細分化されます。

発酵の種類 発酵の方法 種類と原料 アルコール度数
単発酵 もとから糖が含まれている原料をそのまま発酵させる ワイン(ぶどう)、シードル(りんご)、ミードワイン(蜂蜜)など 12%程度
単行複発酵 原料に含まれるでんぷん類を糖化した後に発酵させる ビール(大麦)・発泡酒(大麦など) 5%程度

平行複発酵

原料の糖化と発酵を同時に進行させる

日本酒(米)

15%程度

 

蒸留酒

蒸留酒蒸留酒はざっくりいうと、醸造酒を蒸留しアルコール度数を高めたお酒です。アルコール度数は40度程度。
ビールを蒸留したものが「ウイスキー」、ワインを蒸留したものが「ブランデー」、日本酒を蒸留したものが「米焼酎」です。(厳密にいうと醸造酒の半製品や副産物を蒸留したものも含みます)
他には世界4大スピリッツであるジン、ウォッカ、テキーラ、ラムなども蒸留酒です。

「蒸留」とは、液体を熱することで蒸気となって蒸発した気体を、再び冷やすことで液体にすることです。
蒸留により、アルコールを含んだ液体(醸造酒)から水とアルコールの沸点と揮発性の違いを利用し、アルコール純度を高めたものを取り出します。

蒸留とは(理科の実験、覚えていますか?)

スピリッツ(spilits)は蒸留酒全般を指す言葉

英語で蒸留酒は「スピリッツ(spirits)」といい、ウイスキーはスピリッツの中に分類されるものです。
但し日本においては、酒税法による酒類の分類ではウイスキーとスピリッツは別途分類されています。これは酒税法制定の歴史が関係していますが、製造方法においては同じ分類なのです。

ブラウンスピリッツとホワイトスピリッツ

蒸留したスピリッツは木樽での熟成を行うものと行わないものがあり、熟成したものはブラウン色が付き、しないものは透明無色です。それぞれ色から「ブラウンスピリッツ」「ホワイトスピリッツ」と分類することができます。

ブラウンスピリッツは「ウイスキー」「ブランデー」、ホワイトスピリッツは「焼酎」(原料はサツマイモ、麦、米など)「ウオツカ」(原料は大麦・小麦・トウモロコシなど、無味無臭のアルコール感が特徴)「ジン」(原料はウオツカ同様、ボタニカル感が特徴)などです。

混成酒

混成酒をざっくりいうと、醸造酒や蒸留酒にプラスαの副原料を加えたお酒です。
醸造酒や蒸留酒に果実やハーブ、香辛料や香料、甘味料などを加えたお酒で、焼酎に氷砂糖と梅の実を加えた「梅酒」や、お菓子やカクテルに使われるリキュール類「カシス(カシスの実」「キュラソー(オレンジの果皮)」「カンパリ(香辛料等)」です。

酒税法による酒類の分類

日本の酒税法においては原料や製造方法により、課税上の分類として、4つの種類と17の品目で区分されています。

酒税法における分類
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出典:国税庁ホームページより 酒のしおり(令和3年3月)p24 3 酒税法における酒類の分類及び定義

基礎知識を増やしてお酒の世界を楽しもう!

今回は本当におおざっぱにご紹介しましたが、いかがでしたか?
製造方法による分類を理解すると、ただ飲んでいたお酒も、なぜその味がするのかが理解でき、自分の好みもはっきりとしてくるかも知れません。

 お酒の世界は探索するとさらに奥深いものがあります。基礎知識を増やしてさらなるお酒の世界を楽しみましょう!

投稿者
Kakky
とある会社のバックオフィス担当。 簿記とデータを組むことはどちらもパズル的で似ていると思っている。猫飼い。目下お酒を勉強中。

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